新型コロナウイルス下の就職活動最新動向 ~事例から見る就活のヒント~

勝負のカギは瞬発力と柔軟性

自粛期間が明け、いよいよ企業の採用活動が本格化してきました。

しかしながら、去年までの就職活動を参考にしようとしても、あまり役には立たないでしょう。今年の就活の成功のカギは最新動向の中に在ります。先行きが不透明な中で、各社採用活動の巻き返しに急ぎ入ることが予想されます。

今、市場で何が起こっているのか?それをいち早く正確に察知し、行動を決めていく柔軟な対応力が問われています。本来のスタート時期から考えれば今年の就活は長期戦と言えますが、いま改めてここをスタート地点ととらえれば、今年の就活は短期決戦です。必然的に一つ一つの選考にかける時間は短くなります。そのスピードに学生側もうまく乗って企業と進んでいけるかが、ポイントになるでしょう。

今年の就職活動の異様さを象徴する特徴的な動きが最前線では起こっています。今回は、就活中の留学生の皆さんから直に聞いた事例をご紹介します。そして、その最新動向の中に、今年の就活成功のヒントを探ってみたいと思います。

【ケース1】え? 明日ですか・・・!?

7月2日木曜日、ある総合電機メーカーのWeb会社説明会に参加したAさん。応募する場合にはエントリーシートを一週間以内に出すように、とのことで、Aさんは土日をつかって書き上げ、週明けの月曜日に提出しました。すると、その日のうちに電話が入り、翌火曜日に面接できないかと連絡を受けました。幸いスケジュールは空いていたため、その場で面接日時を設定し、翌日本番を迎えました。7月10日時点で、彼女は1次面接合格、2次面接の調整まで進んでいます。

この選考スピードは通常あまり考えられません。特に、彼女がこれまで一つも内々定を獲得していなかった人物であることを加味すれば、異例と言えるでしょう。

この会社は、「今年も良い留学生を採用しよう!」と計画立てていたものの、新型コロナウイルス感染症の影響であまり接点を持つことができていなかったのかもしれません。優秀な留学生は一人でも多く接点を持って、絶対に採用したい!という熱と焦りが伺えます。

恐らく、この企業に限らず、いいと感じた学生には即日アプローチするところは存在しています。いざ自分も同じ状況におかれたとき慌ててしまい平常心を乱されぬよう、知識として知っておいて、しっかり心の準備をしておきましょう。

【ケース2】てっきり落ちたと思っていたら・・・

3月に非鉄金属メーカーにエントリーシートを提出していたBさん。1週間経っても、2週間経っても、1ヶ月経っても連絡が来ません。これはもう落ちたのだろうと判断し、他企業への応募を進めていました。

新型コロナウイルス感染症の影響で、ウェブ説明会参加とエントリーの提出、その後ひたすら待ち続ける毎日を過ごしていたそんなときです。3カ月以上も経って、すっかり忘れていた非鉄金属メーカーから突然電話がかかってきました。

「3月、弊社にエントリーしていただきありがとうございました。長らくご連絡ができておらず申し訳ございません。もしまだ就職活動を続けていらっしゃるようであれば、ぜひ弊社の選考に進んでいただきたくお電話いたしました。いかがでしょうか?」

実は志望度が高い企業だったので、二つ返事で選考を進めることにしました。一方、とっくに諦めていた話だったため、驚きと戸惑いも大きかったそうです。

例年であれば、「サイレントお祈り」なんて言葉が示すように、選考の合否は明確に知らされずとも、次の選考案内がなければ実質的に不合格でした。しかし、今年は不合格だと諦めていた企業から突然連絡が来ることもあるようです。もしかしたら過去に応募した企業からの連絡があるかもしれないので、見かけない電話番号でも応答する、もしくは電話番号を調べてからすぐに掛け直すようにしましょう。そして、留守番電話機能をオンにすることもお勧めします。

積極的に攻めあぐねている今、思いがけず到来したチャンスを逃さないようにしましょう。

【ケース3】この状況下で採用拡大!?

Cさんが応募した電子機器メーカーは、昨年の採用人数が50人だったそうです。そして、今年度は20人枠を増やして70人採用という計画で選考を進めていました。

Cさんとしては、コロナウイルスの影響を受け、70人の採用枠が削減されるのではないか・・・?と不安に思っていたのですが、選考が再開された7月、改めて会社から70人の採用計画を維持すると説明を受けたそうです。

実は、別の会社による調査結果でも、採用の大幅な人数削減はなさそうだということが分かっています。

株式会社ディスコ キャリタスリサーチによる調査※によると、当初の計画通りの人数を採用する企業と、かなり少数ではありますが当初の計画より採用人数を増やす企業を合わせると、その割合は70%に上ります。

業界により差はありますが、一番高い金融業界では9割弱、一番低いIT業界でも6割を下回りませんでした。前年との比較で見ても、前年より採用人数を増やすと答えた企業は1割を超え、5割強が前年と同程度の人数を確保する計画で動いています。

大幅な採用人数削減が心配された今年の新卒採用ですが、意外と人数面での大幅な計画変更は行わない企業が大半のようです。

この情報によって、少しでも前向きになれる学生は少なくないと思います。気持ちが上向けば、自然と行動も前向きになり、良い結果もついてくるでしょう。人数削減があるのでは?自分が就職できるチャンスはほとんどないのでは?という心配をしすぎずに、自分のできることを最大限尽くすよう貴重な時間を使ってもらえればと思います。

※出典 『2021年卒採用活動の感触等に関する緊急企業調査』

他人の経験から学び、成功を掴み取ろう!

以上、3つのケースから、今年の就活の最前線とそこからうかがえる成功の糸口をみてきました。実際の事例には、やはりヒントがたくさん詰まっていると感じます。別の記事でも述べていますが、就活はチームプレーです。こうした他人が積み上げた成功事例を積極的に共有し、自分の行動につなげていくことが大切です。全員の力で「今年の就活マニュアル」を作っていくことができれば、厳しい状況でもきっと成功をつかめるでしょう。