留学生のポテンシャル採用の重要性

日本の労働人口は2030年には800万人減少するとの予測を厚労省が発表しています。これに対し女性の社会進出や高齢者雇用促進などの対策が進めば225万人の減少で留まるとの見込みも出されていますが、現実には待機児童問題など女性が働く為の社会的バックアップの現状、団塊世代の後期高齢者化などを考えると非常に甘い数字だと思います。どちらにしろ225万人の減少は決して小さいものではないでしょう。国内市場は縮小しますが、反面世界の人口は2025年には80億人に増え、マーケットは拡大の一途となり、当然の事ながら日本企業の海外進出はさらに増加し、日本社会も経済環境や市場環境の変化が進んで行くことになります。

日本において人手不足の現象は既に見え始めており、日本企業のこれからの10年をみても、グローバル競争や少子高齢化の更なる高波は避けて通れません。企業においては既に技能実習生や外国人留学生の積極的な採用などを中長期計画に盛り込んでいる話も多く聞きます。とくに高度外国人材(留学生)活用に関しては、「製造・非製造52業種、8,587社からの調査」からも「重要である:22.6%」「どちらかと言えば重要である:29.8%」と半数以上の企業が重要だと捉えている現状があり、この数値は社員のダイバーシティー化、異文化人材による社内活性化やイノベーション創造を期待し、その重要性が認知されている証明でしょう。

 しかしながら一方、実際に日本企業で働く外国人社員からは

(1)先々のキャリアがみえない

(2)仕事の結果についての評価が曖昧

(3)昇給・昇進のスピードが遅い

など不満の声もあり外国人材活用における課題も上がっています。日本企業は得てしてこの様なコミュニケーション・マネジメント力が欧米、シンガポール、オーストラリアなどの企業と比べ低いとされ、組織・人事制度の改善も求められる一面もありますが、日本の企業風土の良い部分は残しつつ、課題を適切に改善することにより不安や不満が解消され、日本企業での労働意欲もさらに高まり、長期的にはより多くの優秀な外国人材の獲得にもつながり、人材不足の解決はもとより、企業のグローバル化対応、さらには日本人社員の内なる国際化の意識を後押しし、企業の組織的な活性化を進める事も期待できると思います。

先日当社が外国人留学生2名の採用をお手伝いした一部上場の建設住宅関連企業の人事担当者から非常に嬉しい報告を受けました。当初は即戦力採用を理想としていたが、「企業文化を中心にしっかり教育しながら戦力化する」と言うスタンスに切り替えたことで、その2名の社員が実際に働く環境に入り、見て、学び、実戦して能力の向上を図り、今では日本と海外拠点を行き来し、業務上の社内コンサルタント的な役割で大活躍しており、部門の活性化も図られているということでした。言語力、論理的思考力、自己表現力等が高く、向上心が強い外国人材留学生のポテンシャルの高さを改めて感じましたと言われ本当に嬉しかったです。即戦力として顕在化したスキルだけで採用すると定着率は悪くなる傾向があります。育成するという企業側の強い気持ちと仕組みが留学生にとって非常に良い事だと認識しました。高いポテンシャルを秘めている留学生を日本人目線だけでスクリーニングをかけ、手放してしまっているとすれば、それは非常に“MOTTAINAI”のではないでしょうか。