外国人留学生と日本的就職活動

 1月に入ってから大学のキャリア支援室に相談にくる留学生が増えてきました。相談内容はほぼ間違いなく「就職活動の全容について教えてほしい」というものです。日本人の友達が動き出したのを見て、自分も就職活動を始めなければならないと感じる一方、いつ、なにを、どうすれば良いのかわからないようです。

 上記の相談に対して、31日の就活解禁日から始まるスケジュールと、それぞれの内容について話すのは難しくありません。しかし、なぜ、そうするのか?を理解してもらうのは、結構大変なことです。
 ディスコのアンケート調査(http://www.disc.co.jp/uploads/2016/08/fs201608.pdf)によれば、「日本の就職活動について、おかしいと思った制度や習慣」として「リクルートスーツ」「就職活動の時期」「新卒一括採用」が上位3位で挙げられています。
 

“なぜ、皆同じ格好で、しかも入社後にはあまり着ない服装をするのか?”

“なぜ、入社の1年前から採用するのか?その1年で大きく成長するかもしれないのに。”

“なぜ、入社のタイミングが年に1回のみしかないのか?”
 

 このような問いかけをされる度、納得してもらえる答えを出すのに窮するとともに、物事の本質に真正面から疑問を投げかける彼らの知性に感銘を受けます。会社においても同様の気づきと指摘は、グローバル企業として進化を果たすための重要な役割を担うことでしょう。

 優秀なグローバル人材を採用するため、採用活動の内容を見直すことは効果的です。面接の回数を3回から2回に減らしたり、筆記テストは英語や母国語を併記して、あくまで実質的な回答力を測るようにしたりするだけでも、留学生の応募数や入社意欲は高まります。特に、採用活動は留学生が日本企業と触れ合う初めての機会なので、第一印象をよくする意味でも上記の手法は役立ちます。そういった情報は、同じく就職活動を迎える他の留学生たちに口コミで広がっていくのです。「現在の採用手法が本当に最善なのだろうか・・・?」という問題意識を持つことが外国人材採用の第一歩であり、欠かすことのできない重大要素です。
 

 日本の転職市場も20年前に比べれば10倍以上に伸びました。また現在「働き方改革」として残業に関しても見直されています。まさに現在の労働市場の常識が5年後、10年後には非常識になっているかもしれません。日本型採用の典型である「新卒一括採用」も、増加する外国人留学生採用に対して、数年後には新しいバージョンが生まれているかもしれません。
 

 実はキャリア相談の終わり際にもう一つ共通してよく言われる言葉があります。日本に高い興味関心を持ち、来日して何年も日本で学んできた末に多くの留学生がたどり着く結論です。
「やはり私も先輩と同じように外資系企業を受けようと思います。」