「産業首都」愛知県の近未来像

2週続けて、愛知県まで出張に行ってきました。愛知県に本社を置く異なる企業に異なる職種で、いずれもベトナム高度外国人材を紹介するためです。職種の1つはCADオペレーターで、もう1つは製造業でのベトナム現地法人における将来の幹部候補生を求められたのです。


 2014年末の時点で名古屋市には、中国(21,944人)、韓国・朝鮮(18,158人)、フィリピン(7,620人)、ブラジル(3,935人)など、外国人が数多く生活していましたが、それらの国に次いで2,671人だったベトナム人が、2016年11月1日時点には5,291人となり、この2年足らずの短い間にほぼ倍増しています。同時期の中国(22,004人)とフィリピン(8,365人)の微増傾向や韓国・朝鮮(17,301人)とブラジル(3,721人)の微減傾向と比較すると、さらにその勢いは顕著なものと感じられるかと思います。


 愛知県は、全国平均に較べればまだ緩やかながら、やはり「少子高齢化」の傾向にあり、生産年齢人口は1995年をピークに徐々に減少し続けています。そのような時代の中、日本の「産業首都」と言われ、製造品出荷額等が1977年以来、38年連続で日本一を続けており、他の追随を許さない圧倒的な産業集積を誇っています。それを支えている一部は、間違いなく外国人材であり、現在の傾向としては急激にベトナム人の割合が増えているということでしょう。


 以前よりベトナム人の国民性は、非常に明るく素直で素朴、かつ、勤勉で物ごとに対しても一生懸命に取り組む、と言われ、また、手先の器用さや組織に従う従順さといった性質も日本人と似たところがあり、製造業に従事するのに向いているとも言われます。一方、欧米からは「アジアのユダヤ人」と言われ、柔らかな笑顔の下に非常にしたたかで計算高い面を隠しているとも言われています。そういう意味では第一印象だけでの判断はリスクがあるかもしれません。


 近年、ベトナム人の高等教育進学者が増加しているなか、国民所得が高くないのに海外留学比率が高い要因として、国内での就職難が挙げられています。失業率は際立って高くないものの、ベトナムで大学を卒業してもいい就職先が見つからないことから、高校卒業と同時に日本への留学を目指すベトナムの若者が増えているのです。

また、ベトナムに進出している日系企業は1,500社以上になり、(1)ベトナム企業よりも給与水準が高い、(2)実力主義の採用や昇進制度、(3)清潔で良好な職場環境、といった理由で、ベトナム人から高い人気となっています。さらに動画サイト等で簡単に触れることのできる日本のポップカルチャー・サブカルチャーへの憧憬と併せて、日本語と日本留学ブームの背景となっているようです。


 現時点では、労働力が不足している日本企業と、より良好な職場環境を求めるベトナム人材とは相思相愛の関係だと言えると思います。この関係が更に深く、強固なものになるためにも、安易な採用やマネジメントだけでは長続きしないと思います。

「産業首都」愛知県でこれから起きるベトナム人増加の現象は、他都道府県にとってもいいモデルケースになってくれれば、と思いますし、当社もその一助となるべく、優秀で勤勉なベトナム人材を愛知県の企業にご紹介していきたいと思います。民謡『伊勢音頭』で「尾張名古屋は城でもつ」と謡われたのも今は昔、「尾張名古屋は”ベトナム人”でもつ」と言われる時が近い将来、来るかもしれません。