未来の日本の財産『外国人留学生』をどう活かすのか?

前回のブログ『留学生の就職が2割増、1万5千人を突破』にあるように留学生は年々増加しており就職する留学生の数も増えています。

その一方で、『「経済産業省の内なる国際化研究会」報告書(概要)』(http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160322001/20160322001a.pdf)によると、外国人留学生の就職率は3割程度であり、日本で専門性を高めた将来性あるグローバル人材が、毎年約1万人以上も流出しています。優秀な人材の獲得競争が世界規模で激化する中、向こうから学びに来てくれている留学生を採用し切れていない現状は、非常にもったいないことです。就職した留学生数の増加は喜ばしいことですが、“就職できなかった留学生数”の動向にも目を向けていきたいものです。この視点は、将来訪れるかもしれない“グローバル人材採用難”の要因となり得るからです。

現在、日本で働くことを「魅力的だ」と感じている留学生は、22%程度しかいません。日本人と同じ試験内容のために外国人材としての強みが評価されないことや、キャリアパスが不透明であることなどが、その原因として挙げられています。東洋経済onlineの記事『東大の外国人留学生が悩む「日本で就職」のカベ』(http://toyokeizai.net/articles/-/78982)では日本で就職活動をしている東大や早大の外国人留学生が以下のような悩みについて書いています。


1外国人材として評価されないこと

―採用担当者に語学だけできてもね・・・いちばん大切なのは日本式のビジネスノウハウをわかっていることと言われて、悔しかった。私たち留学生に日本人とまったく同じ常識や日本語力を求めるのは酷だと思う。

―書き言葉と話し言葉は違う。東大の授業はすべて日本語で受け、日本の学生と同じように課題もこなしているけど、得意なわけではない。だからウェブテストやエントリーシートは友達に添削してもらった。

―SPIで機械的に落とされるのは辛い。長文を速読して紛らわしい選択肢から答えを選ぶ作業が、本当に実際の仕事で必要だとは感じられない。まず面接で話す機会がもらえれば、日本の企業で働くのに十分な日本語能力があることはわかってもらえると思う。

“日本人と区別せず、優秀な人材を採用する”という姿勢は一定の評価ができますが、そのために日本語以外の良さが光る人材の採用機会を失っていることは確かな事実です。

2ロールモデルが不在でキャリアパスが不明確であること

―10歳くらい年上で、日本企業に勤めている中国人をあまり知らない。留学生コミュニティというものがあまり発展しておらず、話を聞ける人を探すだけでも一苦労。お手本となる人があまりいないから、将来のキャリアプランを描きにくい。

―“日本で就職できなかったら、韓国に帰ればいいじゃん”という友人からの心無い言葉に傷つくこともある。実際はそんなに簡単な問題じゃないのに。

留学そして卒業後に日本で就職し、成功している身近な存在の欠如は、留学生たちが自身の将来を描きづらくします。そして、母国でも第三国でも良いキャリアの可能性がある優秀な人間ほど、日本での就職から離れていってしまいます。

 東大や早大に留学できるような人材が、せっかく日本で学び、働きたいという考えを持っているにも拘らず、就職できずに帰国していくのは日本にとって大きな損失であると思います。そして、このことは“現在の損失”であるのみならず、今後留学してくる人材が日本におけるキャリアパスを描けず、就職しないで帰国するという“将来の損失”にもつながります。早いうちから外国人材の採用を考え、具体的な活動を展開していくことは、投資活動であると同時に実はリスクヘッジでもあるのです。

上の留学生たちの言葉にもありますが、日本の新卒一括採用の手法は、外国人材採用に合っていないのだと思います。将来的には彼らには彼らのための、日本人とは異なる採用試験・評価項目・キャリアパスの説明が求められると思います。

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