多様性を活かす〜外国人材活用基本の「キ」

9月26日、法務省より2016年6月末時点での中長期在留者と特別永住者を合わせた在留外国人数が発表されました。

それによると、在留人数は2307,388人となり、史上最高となったそうです。

過去の統計を見てみますと、リーマンショックや東日本大震災の影響で2008年~2012年は人数が減少したものの、基本的には1980年から在留外国人数は増加し続けています。

おそらく、しばらくは同じように増加の一途をたどるでしょう。


外国人の増加については、日本においても賛否両論あります。

最近も話題となった、欧州などで発生している難民問題ととかく同じテーブルで論じられることがあり、外国人にネガティブな考え、印象をお持ちの方が多いかもしれません。

「外国人はできることなら受け入れたくないけれど、今後は少子高齢化の影響で人手不足になるから受け入れざるを得ない」

このような考えの方も少なくないかと思います。言葉や文化の違いが現場を著しく混乱させ、今まさに動いているビジネスに障害が出るのではないか、という不安を抱いているのかもしれません。


「敬語が話せない」「行動が日本に合わない」など、

すぐ目につく違いにばかり注目をし、自分たちと区別をしてしまう癖が私たち日本人は身についてしまっています。

ところが共感力持って、その先にある共通した目的やビジョンを見出したとき、区別しようとする態度は交じり合おうとする努力に変わり、外国人材の定着を前向きに、そして建設的に受け止められるようになるのです。そして、企業こそがこの多様な外国人材の安定的な定着を担えると私は考えています。


 最近ではスポーツ界でもケンブリッジ飛鳥選手(陸上)、大坂なおみ選手(テニス)、鈴木武蔵選手(サッカー)など日本文化を越えた日本人アスリートが数多く出て参りました。日本企業も同じで、これからは成果の為にもっと多様性を活かしていかなければなりません。


なぜなら、企業理念や企業文化ほど自由で多様性に富んだ価値観はなく、そこへの帰属意識は、国籍や民族、言語集団といった枠組みの上位に成り立ちうるからです。

たとえば、トヨタ社のJust in Time方式は世界中の企業で採用されています。世界中の異なる人々がこのアイデアを支持しており、同じ価値観のもとでものづくりに勤しんでいます。

また、Google社の「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」という価値観も国や民族、文化の違いを超えて世界中の人々を魅了し、今日の情報社会を形づくっています。

言葉や文化の壁が最初は邪魔をするので、なかなか本人の良さが見えてこないこともあるかもしれません。しかし、時間をかけて何人もの外国人と会ってみると、言葉や文化の違いは次第に瑣末なことだと気にならなくなり、「目の前の人物そのもの」が見えるようになってきます。そして、1対1の人間の、濃密なコミュニケーションが始まります。

うわべのやりとりではなく、真摯に相手と理解し合おうとするその姿勢が強い信頼関係を生み出し、建設的で価値のある多様性をもたらすのです。


目の前の留学生が持つ小さな違いを超えて、一つの企業理念を共有できたとき、彼らの才能、情熱、能力、意志が輝き出します。

日本企業が新たな成長・発展の時代を迎えるため、外国人材との向き合い方が今、問われています。

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