これからの日本型移民政策を考える

外国人労働者の受入れ状況を簡単に述べると、日本の在留外国人は現在約200万人(人口の2%未満)。そして、日本の外国人労働者は、厚労省調査で71.8万人(2013.10月末)。ただし、公的な調査で拾えない中小零細や飲食業従業員など含めると実際は100万人近いと言われています。

これらの数値は他のOECD国と比べると非常に低い比率です。例えば、オーストラリアの外国人労働者比率は26%、ダイバーシティ国家として有名なカナダが20%、スペイン15%、ドイツ、アメリカ13%、イギリス、フランス12%、イタリア9%となっています(2013年OECDデータ)。

労働者のタイプは様々ですが、大別すると「出稼ぎ労働者」か「技能実習生」か「高度人材」の3つになります。外国人労働者(ある意味移民)の問題で一番難しいのは、外国から「労働力」だけを受け入れたつもりが、「生活」や「コミュニティ」が入ってくることで、国際結婚や子供の言語教育、非行・犯罪など様々な社会問題が発生することです。

私は単純に「日本は少子高齢化が進むので労働力が不足する。だから外国人をたくさん入国させれば良い」とは全く思っていません。どちらかというと、そういう時流に乗った考え、危機感から生まれた発想は、物事を単純化してしまいがちで、後々災いを招くとさえ考えています。

この30年の欧州の移民政策の反省点(素晴らしい点も多々あります)を踏まえ、日本型移民政策という新しい手法を構築しなければいけないと思っています。もちろん、全てがバラ色というわけにはいきません。光が当たれば、その後ろには影が出来るものです。

私の考えは、初期のころは、大学や専門学校を出た、専門性が高く、日本語や日本文化を理解している人材、すなわち高度外国人材をどれだけ多く受け入れることが出来るかがポイントだと思います。その層が厚くなればなるほど、その後、入国する外国人に対するマネジメントやフォロー、教育が自然とできると考えます。最初の外国人層の質と量が日本型移民政策の成否を決めると考えています。この層をどれだけ増やすことが出来るか。現在の留学生の就職率は約30%ですがこれを70~80%まで上げることが出来れば非常に良い方向に行くと思います。

また日本政府、日本企業そして個々の日本人が本気で将来にわたって「多文化共生社会」をどう作っていくかを真剣に考えることも重要です。ただの労働力ではなく、「日本に貢献してくれる人材」「日本と一緒に成長してくれる人材」「日本を好きでいてくれる人材」という気持ちで接し、日本社会に受け入れ、溶け込ませることができるかが一番重要だと思います。

これからの20年(2025年問題も含め)、日本人の真のホスピタリティ(いわゆるO・MO・TE・NA・SHI)が試されると思います。